メールマガジンバックナンバー2016.4月号

実は上海では様々な物がオーダーメイドできます。

スーツ、ネクタイ、シューズ、ドレスなどなど。私も色々と作りましたが、その中でも今回はスーツのオーダーメイドについて書いてみたいと思います。

まず、どこで作れるのか。街中に点在しているスーツ屋さんでも可能ですが、上海には布市場（正確にはビル）が3か所あります。インターネットで「上海　スーツ　オーダーメイド」と入れてヒットするのは、大概この3か所でしょう。
建物の中には小さなテナントがぎっしり並んでおり、どの店でもオーダーメイドのスーツやシャツ、コートなどを作ることができます。

初めて行くと、店舗の数があまりに多いので、どの店にしたら良いのか迷ってしまいます。
事前に知人から紹介が無い場合などは、何件かオーダーの価格を聞いてみましょう。

何件か聞けば雰囲気を掴めます。私は基本的には一番安いお店に決めるようにしています。そこで一着作ってみて、スーツの出来上がりだったり、お店の人との相性だったりを見ます。

当然、お店を決める際に値段交渉が必要ですが、経験上、500元～800元が相場です。
（日本円で考えると1万円弱～1万6千円ぐらいでしょうか。やはり安いです。）

上と下では300元も開きがあるので、慎重に判断しましょう。お店の人も、こちらが中国語を話せなかったり、相場を知らなかったりすると、多少上乗せしてきます。
私の場合は値段交渉をなるべく短く終わらせるために「最低価格はいくらですか」と聞きます。中国で値引き交渉をする際に、この一言はどこへ行っても割と有効です。

値段交渉が終わると次は生地選びです。お店の人に感じを伝えれば、近い物を選んで見せてくれますが、生地の数が多いため、できれば事前に希望のスーツの写真などを撮っておくと良いでしょう。

さて、次の工程が一番重要になります。それは自分がどのようなスーツを作りたいかを伝える作業です。身体のサイズを測ってもらうわけですが、細めがいい、内ポケットの数、丈の長さなどは自分で伝えなければなりません。

ここは中国が多少できても中々難しいところです。なぜなら既製品を買う
わけではないので、自分のイメージを言葉にして、かつ、相手に正確に伝えなければならないからです。

先ほどお店選びの下りで、お店の人との相性を見ると書きましたが、相手がセンスのある人かを判断しなければいけません。

彼らは小売店にいる、流行りに敏感なショップ店員ではなく、常にオーダーメイドを作っている人たちなので、プロでありながら流行りに鈍感だったりするわけです。もちろんオーダーする我々も素人なので、細かいところの調整が難しいわけですが、そこがオーダーメイドの醍醐味でもあるので、楽しみましょう。

ここまで来ればあとは1週間待って、完成品を受け取りに行くだけです。
多くの場合は半金を前金として支払い、完成後に残りを支払います。ちなみに、急ぎのオーダーにも対応しているお店があり、その場合は2、3日で完成します。

実はここで完了ではありません。1週間後、受け取りに行ったら、必ず試着をします。そこで着丈や身幅がイメージと違ったら手直ししてもらいましょう。複雑なことでなければその場で直してくれます。

自分が納得できなかったら遠慮せず、何回でもお願いしましょう。

お店の人たちも、新たなお客さんを紹介して欲しいので、1度目はかなり親切に対応してくれます。
そうしてようやくこだわりの一着が完成します。
いかがでしょうか。日本では中々手間と費用の問題で挑戦したことが無い人でも、上海では気軽にオーダーメイドを楽しめます。今回は中国のローカルのお店での話でしたが、日系のスーツ屋さんでもオーダーメイドができます。

こちらは言葉の心配も店員さんのセンスも心配しないでいい代わりに少し割高で、費用は1,600元～となっています。（と言っても日本と同じぐらいですね）中には日系のお店で作った時の採寸表をもらって、そのままローカルに持って行く人もいます。私も機会があれば日系のお店で作ってみたいと思います。

それでは今月はこのあたりで失礼します。