組織の健全化|経営のエネルギーロスを削減する!
エネルギーというのは、アウトプットまでの処理工程で少しずつ失われていくものです。ですから、できるだけエネルギー効率を高める努力が求められています。
経営におけるエネルギーは目標達成に注がれます。経営に投下されるエネルギーロスの大きな要因の一つにコミュニケーションロスがあります。コミュニケーションロスとは、情報伝達の過程で情報が毀損、喪失、改ざん、変容し、意思疎通が正常にできない状態を指します。
経営活動において、コミュニケーションは様々な場面で重要な役割を担っています。組織の方向性を決定するとき、決定事項を戦略に落とし込むとき、それを計画に反映するとき、実行を指示するとき、現場で発生した事象を上司に伝えるとき、そして社外の関係者とのやり取りで…。
組織が目的・目標を定めて活動する以上、背後には必ずコミュニケーションがあるのです。この事実を否定することはできません。
コミュニケーションは組織の目的達成のために、欠くことのできない重要な要素と言えます。もしコミュニケーションロスによって、目的達成のために費やすべきエネルギーが損なわれているとしたら、それは本当にもったいないことです。
しかし残念ながら、このコミュニケーションロスの対策についてあまり論じられていないようです。
- 現状どこで、どのくらいのロスが発生しているのか?
- そのロスを発生させている要因は何か?
- それを防ぐために何をするべきか?
これらのことは、あまり議論されることがありません。
では、なぜコミュニケーションロスが発生するのでしょうか?
どこでコミュニケーションロスが発生しているのでしょうか?
コミュニケーションロスは以下3つの領域で発生します。
コミュニケーションロスの発生領域
- 頭の中にあることVS言っていること(言語化作業のロス)
- 言っていることVS聞いていること(聞く態度によるロス)
- 聞いていることVS解釈したこと(理解力やバイアスによるロス)
これらのロスが、組織の階層間や部門間、担当者間、企業間、そしてその他の関係者間、といったあらゆる場所で発生するため、開始地点と終着地点の情報に乖離が生まれるわけです。その結果、目的地にたどり着くことができません。この乖離は組織の目標達成を阻む大きな要因となります。
頭では右に進もうと思っていても、足は左に進むといった状況を想像してみてください。これは決して大げさな比喩ではありません。
いったい、どれだけのロスが生じているか想像できるでしょうか?
健全な組織は、ちょうど血液が体の隅々までめぐるように、「組織の意思が末端にまでよどみなく流れる」状態を維持しています。この流れが停滞すると、健康を害してしまうことは想像できると思います。
組織の「意思」を組織全体に浸透させるためには、コミュニケーションロスをなくさなければなりません。
次回の記事で、それぞれの領域におけるロスについて解説します。
ライター
コラム一覧
第1回 2018年10月30日 | 組織の健全化|経営のエネルギーロスを削減する! |
第2回 2018年10月30日 | コミュニケーションロスはどこで発生するか |
第3回 2018年10月30日 | 組織のコミュニケーションレベルを評価する |
第4回 2018年10月30日 | 組織に潜在するコンフリクトを把握する |
第5回 2018年10月30日 | コンフリクトマネジメントの実践で組織を活性化する |
第6回 2018年10月30日 | 対立を活力に変えるコンフリクトの活用 |
第7回 2018年10月30日 | コミュニケーションデザイン|組織の意思を可視化する① |
第8回 2018年10月30日 | コミュニケーションデザイン|組織の意思を可視化する② |
第9回 2019年1月3日 | コミュニケーションデザイン|引き出す技術を身に着ける |
第10回 2019年3月9日 | コミュニケーションデザイン|引き出す技術(良い質問は未来を開く) |
第11回 2019年12月6日 | コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|①事象をありのままに受け入れる |
第12回 2019年12月12日 | コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|②前提を知ろうとする |
第13回 2020年7月1日 | コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|③シンプルに考える |