コンフリクトマネジメントの実践で組織を活性化する
コンフリクトはどのようにして見つけることができるでしょうか?
意見が対立したときに人がとり得る態度は、強制、妥協、服従、回避、協調の5つであると言われています。このうち、もっとも好ましい態度は協調です。それ以外の態度が散見するなら、コンフリクトが潜在していると言えます。
強制:自分の意見を相手に押し付ける態度(Win-Lose)
ビジネスシーンでは声の大きい人が勝つということはよくあります。
相手は納得していないこともあり、中長期的には関係が悪化する可能性があります。
妥協:自分の意見を抑えてお互いに譲歩する態度(Lose-Lose)
決着をつけるためにお互いに譲り合ったものの、十分に納得できていません。
中長期的には関係が悪化する可能性があります。
服従:自分の意見を抑えて相手に従う態度(Lose-Win)
もめごとを避けるために声の大きい人に従います。
しかし、納得感がないためモチベーションが高まりません。
回避:お互いに相手の意見を否定する態度(Lose-Lose)
お互いに譲らないため平行線で決着がつきません。
相手に対する不信感が残り、中長期的には関係が悪化する可能性があります。
協調:お互いに納得できる第三の案を見つける態度(Win-Win)
お互いの意見の違いを認めて尊重する態度です。
目的や課題を共有し、より良い解決策を模索します。
コンフリクトマネジメントは、目標達成を阻害するコンフリクトを戦略的に活用して、組織の改革や改善を推進する手法です。組織の内外に潜在するコンフリクトを取り除く、あるいは戦略的に活用することによって、自由闊達な意見が言える環境がつくられ、質の良いアイデアが生まれ、組織に変革をもたらすという効果が期待できます。コンフリクトマネジメントは以下の手順で進めます。
- コンフリクトの根源を特定
3つのコンフリクトについて一致する点と相違点を洗い出します。相違点がコンフリクトに直結するわけではありませんが、コンフリクトを生み出す根源となり得ます。
- コンフリクトの特定と原因の明確化
上記、相違点の中からコンフリクトを特定し、コンフリクトを引き起こしている原因を特定します。
- コンフリクトの見積りと対処方法の決定
各コンフリクトが及ぼす影響の大きさと発生の確率を見積もり、対処方法を決定します。
コンフリクトは、影響の大きさや発生確率によって、維持するか対処(低減または活用)するかの選択ができます。
コンフリクトの対処方法(低減と活用)については、次回の記事で説明します。
ライター
コラム一覧
第1回 2018年10月30日 | 組織の健全化|経営のエネルギーロスを削減する! |
第2回 2018年10月30日 | コミュニケーションロスはどこで発生するか |
第3回 2018年10月30日 | 組織のコミュニケーションレベルを評価する |
第4回 2018年10月30日 | 組織に潜在するコンフリクトを把握する |
第5回 2018年10月30日 | コンフリクトマネジメントの実践で組織を活性化する |
第6回 2018年10月30日 | 対立を活力に変えるコンフリクトの活用 |
第7回 2018年10月30日 | コミュニケーションデザイン|組織の意思を可視化する① |
第8回 2018年10月30日 | コミュニケーションデザイン|組織の意思を可視化する② |
第9回 2019年1月3日 | コミュニケーションデザイン|引き出す技術を身に着ける |
第10回 2019年3月9日 | コミュニケーションデザイン|引き出す技術(良い質問は未来を開く) |
第11回 2019年12月6日 | コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|①事象をありのままに受け入れる |
第12回 2019年12月12日 | コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|②前提を知ろうとする |
第13回 2020年7月1日 | コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|③シンプルに考える |