メールマガジンバックナンバー2016.1月号

前回北京へ出張した時のお話です。私はほとんどの場合、1人で出張へ行きます。
日本から出張者が来る場合もありますが、その人間も10年以上中国と行き来をしていますので、毎回特に新しいことは起こりません。

しかし、今回は初めて中国へ来る人（以下Hさん）がいました。
珍しいケースなので、初めて中国へ来る人が実際の中国を見てどのように感じるのか、Hさんの様子を注意深く観察することにしました。
※かなり旅行記のようになってしまいますが、ご了承ください。

1月某日。この日の北京の天気は快晴で、中々見ることができない青空が広がっていました。つい先日AIIBの式典を北京で行ったことと関係があるのか？
なんてことを考えながら、私は到着口で彼らの到着を待っていました。
北京の天気とは反して、東京は大雪が降ったようで、約80分遅れで出張者とHさんが到着しました。

まずはホテルまでの移動です。タクシーでの移動になりましたが、Hさんは道中、中国独特の少し乱暴な運転に多少驚きつつも、興味深そうに窓の外を眺めていました。
どうやら、周りを走っているのがどこの国の車なのかを気にしているようです。
特に日本車がどのくらい走っているのかを確認していたように見えました。

実際はそれなりに日本車も走っていたのですが、中国人はあまり洗車をしないため、

埃まみれの車も少なくありません。恐らくそれが原因で、あまり発見できなかったようでした。

小一時間走り、ホテルへ到着しました。今回宿泊したのは長富宮飯店。初めての中国ということもあり、刺激の強すぎるローカルのホテルは避け、日系のホテルを選択しました。

チェックインを済ませ、部屋へ案内すると、まず、部屋の広さに驚いていました。
確かに日本のビジネスホテルの倍はあります。しかし、このホテルが特段広かった訳でもなく、私の経験上、平均的に日本より広めの設計です。
当然、部屋の設備に大きな問題はなく、基本的には快適に過ごしていただけたようです。唯一、朝食の白米が美味しくなかったとのこと。まあ仕方がありません。Hさんは米所の出身です。つまり日常的に世界で最上ランクのお米を食べています。
それと比較するとどこに行っても物足りなく感じてしまうはずです。

いくつか予定を終え、夕食はお客様と一緒に北京ダックを食べに行きました。利用したお店には比較的一般的な中華料理が揃っていましたので、我々がいつも頼む定番メニューを中心にオーダーしました。北京を含む北方の料理は基本的には塩辛い味付けが多く、「1つ1つの料理の味の主張がそれなりに強い」、「ビールの味はあっさりしている」というのがHさんの感想でした。確かに中国のビールは日本のビールと比べて軽い物が多いのですが、中華と合う飲み物として発展してきたのでしょう。ビールまで主張が強いと、少しくどい感じになってしまうかもしれません。
初めて中国へ来た人はこちらのサービスにも驚きます。このお店も北京市内にそれなりの数の店舗を展開しているチェーン店でしたが、店員を呼んでも無視（恐らく聞こえていない）だったり、注文したものが極端に遅かったり、なんとも中国らしい接客でした。

中国に慣れている私とお客様は何も感じませんでしたが、Hさんからすれば、驚きだったはずです。

食事を終え、会計をしましたが、4人でそれなりに飲んで食べて850元ほどでした。

この値段にもHさんは驚いていました。日本で北京ダックを食べるとそれなりにかかるそうです。私は日本で食べたことがないのでわからない感覚でした。

ホテルへ戻り1日目が終了です。次の日は飛行機で上海へ向かうことになります。

次号へ続く。