コンフリクトマネジメントの実践で組織を活性化する

2018年10月30日

コンフリクトはどのようにして見つけることができるでしょうか?
意見が対立したときに人がとり得る態度は、強制妥協服従回避協調の5つであると言われています。このうち、もっとも好ましい態度は協調です。それ以外の態度が散見するなら、コンフリクトが潜在していると言えます。

強制:自分の意見を相手に押し付ける態度(Win-Lose)
ビジネスシーンでは声の大きい人が勝つということはよくあります。
相手は納得していないこともあり、中長期的には関係が悪化する可能性があります。

妥協:自分の意見を抑えてお互いに譲歩する態度(Lose-Lose)
決着をつけるためにお互いに譲り合ったものの、十分に納得できていません。
中長期的には関係が悪化する可能性があります。

服従:自分の意見を抑えて相手に従う態度(Lose-Win)
もめごとを避けるために声の大きい人に従います。
しかし、納得感がないためモチベーションが高まりません。

回避:お互いに相手の意見を否定する態度(Lose-Lose)
お互いに譲らないため平行線で決着がつきません。
相手に対する不信感が残り、中長期的には関係が悪化する可能性があります。

協調:お互いに納得できる第三の案を見つける態度(Win-Win)
お互いの意見の違いを認めて尊重する態度です。
目的や課題を共有し、より良い解決策を模索します。

コンフリクトマネジメントは、目標達成を阻害するコンフリクトを戦略的に活用して、組織の改革や改善を推進する手法です。組織の内外に潜在するコンフリクトを取り除く、あるいは戦略的に活用することによって、自由闊達な意見が言える環境がつくられ、質の良いアイデアが生まれ、組織に変革をもたらすという効果が期待できます。コンフリクトマネジメントは以下の手順で進めます。

  1.  コンフリクトの根源を特定
    3つのコンフリクトについて一致する点と相違点を洗い出します。相違点がコンフリクトに直結するわけではありませんが、コンフリクトを生み出す根源となり得ます。
     
  2.  コンフリクトの特定と原因の明確化
    上記、相違点の中からコンフリクトを特定し、コンフリクトを引き起こしている原因を特定します。
     
  3. コンフリクトの見積りと対処方法の決定
    各コンフリクトが及ぼす影響の大きさと発生の確率を見積もり、対処方法を決定します。
    コンフリクトは、影響の大きさや発生確率によって、維持するか対処(低減または活用)するかの選択ができます。

コンフリクトの対処方法(低減と活用)については、次回の記事で説明します。

 

ライター


<a href="http://npo-safety.org/expert/yamaguchijunji/">山口 純治</a>
山口 純治

ブランディング、商品プロモーション、製品マニュアル、販売店や社員トレーニング、社内コミュニケーション改善 など、さまざまな情報伝達シーンにおいて「コミュニケーション設計」の支援をしている。
主な活動として、コンサルティング、セミナー、トレーニング・研修、会議やプロジェクトのファシリテーションなどの自立支援活動や、Webサイト・カタログ・パンフレット・動画・マニュアルなどの企画・制作などがある。

 

コラム一覧


第1回 2018年10月30日組織の健全化|経営のエネルギーロスを削減する!
第2回 2018年10月30日コミュニケーションロスはどこで発生するか
第3回 2018年10月30日組織のコミュニケーションレベルを評価する
第4回 2018年10月30日組織に潜在するコンフリクトを把握する
第5回 2018年10月30日コンフリクトマネジメントの実践で組織を活性化する
第6回 2018年10月30日対立を活力に変えるコンフリクトの活用
第7回 2018年10月30日コミュニケーションデザイン|組織の意思を可視化する①
第8回 2018年10月30日コミュニケーションデザイン|組織の意思を可視化する②
第9回 2019年1月3日コミュニケーションデザイン|引き出す技術を身に着ける
第10回 2019年3月9日コミュニケーションデザイン|引き出す技術(良い質問は未来を開く)
第11回 2019年12月6日コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|①事象をありのままに受け入れる
第12回 2019年12月12日コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|②前提を知ろうとする
第13回 2020年7月1日コミュニケーションデザイン|本質を追求するマインド|③シンプルに考える