3. 主語と述語は直球勝負! ~ねじれないよう、まっすぐに~

2016年4月1日

文、文章といえば、避けて通れない(?)のが「主語」と「述語」。文に必要な、最低限の要素です。品詞や活用は忘れていても、主語と述語はおぼえていますよね。英文法ではSとV。主語が付く助詞は「は」か「が」が多い。学校で、必ず習っているはずです。

ですが、日本語では主語のない文をしばしば見かけます。たとえ省略されていても、想像できてしまうからでしょう。また、主語と述語が適切に対応していない文も見かけます。違和感をおぼえても、通じてしまうので、これでいいのかな?と考えがち……。

主語と述語が対応していない文は、「ねじれ文」とも呼ばれます。ねじれ文は、違和感と共に、あいまいさも生んでしまいます。主語と述語をしっかり対応させて、文の目的を明確にしましょう。


たとえば:

私の趣味は、月に3本映画を鑑賞し、感想をブログにアップしています。

主語「趣味は」、述語「アップしています」となっています。皆さん、「ねじれ」にお気付きでしょうか?

このようなときは:

私の趣味は、月に3本映画を鑑賞し、感想をブログにアップすることです。

述語を「アップすることです」に変更すると、主語と述語の対応が取れました。

たまに、「ねじれ」がわからないと言う人がいます。昨今はネット上に情報があふれているので、新聞や本を読まない人も増えているのでしょうね。そういった、あまり活字に触れていないタイプの人かもしれません。


また、会話だと、ねじれていようが途切れていようが、なんとでも通じるからかな、と思うこともあります。上記の例を話し言葉にしてみると、こんな感じでしょうか。

私の最近の趣味はさぁ、月3本くらい映画観て~ブログにレビューをアップしてるんだよね。

やはり、「全然大丈夫」*ですね。ただ、話し言葉と書き言葉は違います。文章表現では、主語と述語の関係を意識し、読み手にわかりやすく明確に伝えることが大切です。*「全然大丈夫」については後日考察します。


例文をもうひとつ:

目の健康に良い成分は、「アントシアニン」や「ルテイン」で、サプリメントで補えます。

主語「成分は」、述語「補えます」で、対応しているように見えますが……。書き手の意図が正しく伝わりにくい、ややあいまいな文になっています。

このようなときには、文を分けると良いでしょう:

目の健康に良い成分は、「アントシアニン」や「ルテイン」です。
これらは、サプリメントで補えます。

こうすると、目にいい成分はコレとコレで、摂取するにはこうしよう!が明確になりますね。

また、少し強引なリライト例ですが、以下もアリかと:

目の健康に良い成分は、サプリメントで補える「アントシアニン」や「ルテイン」です。

私がマニュアル制作に携わり、原稿を書き始めた頃は、日本市場のことしか考えていませんでした。いろいろな製品を担当する過程で、「翻訳しやすい日本語」の重要さを知りました。周囲の翻訳者さんからの「意味がわからない」という切実な声、声、声。中でも「主語は何?」という悩みが多かったような……。翻訳者さんのお悩み解決だけでなく、正しく伝わる文章を書くためには、日本語文法知識も必要です。テクニカルライティング技術の学習を通じて、文法を復習したことは、とても役立っています。

「なんとなく通じるからOK」は、日本語の功罪かもしれません。まずは「主語」と「述語」の関係を意識することから始めてみてはいかがでしょうか。


【まとめ】

主語と述語を正しく使おう!
日本語文法を思い出そう!


ライター


著者

峰本 恵美子

テクニカルライター&トレーナー

自動車オーナーズマニュアル、特装車・福祉車両・覆面パトカー、カーオーディオ、情報家電など、20 年以上にわたり、さまざまなマニュアル作成を経験。
業務用厨房機器カタログ制作のキャッチコピー作成など、「分かりやすく伝える」技術を活かした業務を担当する。
近年は、業務経験で培った「テクニカルライティングの技術」を研修講師として社内外に広く展開している。

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