メールマガジンバックナンバー2016.8月号

中国（香港と台湾を除く）において大都市と言えば、北から順に北京・上海・広州です。広州については不案内なので、
よく出張へ行く北京と中国でのホームタウンである上海を比較してみたいと思います。

北京はご存知の通り首都であり、行政の中心地です。全ての決定は北京で下され、各地の行政へ広がっていきます。
一方、上海は経済の中心と呼べる都市です。新しいことにも寛容な態度で向き合い、有益であればすぐに取り込みます。

目に見えないところは比較が難しいので、わかりやすく二つの都市を比較してみます。

【人口】 上海：2,426万人、北京：2,152万人　（共に2014年末）
【面積】 上海：6,340㎢、北京：16,410.54㎢
上海の方が圧倒的に人口密度が高いことがわかります。実際に北京へ行ってみるとわかりますが、かなり大きな都市です。車道の車線数も
北京は普通に4～5車線あります。日本では幹線道路でも3車線ぐらいですから、全然スケールが違います。横断歩道を渡るのも一苦労です。
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しかし、面積が広いからといって、土地が安いわけではありません。
そこには「子供に対する教育」が大きく関係しています。
どういうことなのか。まずはそれぞれの都市にある有名大学を見てみましょう。
【最新アジア大学ランキング】
上海：復旦大学（19位）、北京：北京大学（2位）、清華大学（5位）

ご覧の通り、中国で最も有名な北京大学と清華大学は共に北京にあります。
中国ではまだまだ学歴社会ですので、親たちは皆、自分の子供を少しでもいい学校へ入れようと必死です。
有名大学の付属学校はその学区に家を持っていないと入れない為、そのエリアの地価が必然的に上昇します。
これが北京の地価が上がる1つの要因です。

他のエリアと比べても理解しがたいぐらい高いです。
平米あたりの価格が10万元なんてところもあるようです。

次にそれぞれの街の良いところを挙げてみます。

【上海の良いところ】
・日本人感覚でも生活が便利。
コンビニ、交通などの多方面で北京より便利です。
恐らく諸外国の中でも日本人が最も住みやすい都市の1つだと思います。

・街が近代的。
金融街を筆頭に現在も数々の商業施設が建設中です。
先進的なデザインのものが多く、逆にそういうものを見慣れてしまい、普通に見えてしまうぐらいです。

・夜景が綺麗。
観光スポットにもなっているバンドエリア。
長年上海に住んでいてもたまに行くと、素直に綺麗だと思える場所です。

【北京の良いところ】
・世界遺産が多いだけあって、街全体に古風な雰囲気がある。
特に空気が綺麗な日は素晴らしい雰囲気を肌で感じることができます。
・北京に住んだ人は北京を好きになる。
住めば都というのとは少し違う感じで、北京に住んでいた人たちは概ね北京が好きになるようです。（中国で最初に住む都市が北京の場合に限る）
・万里の長城がある。
これは世界遺産ですが、単独で挙げられてしかるべき建造物です。
一見の価値あり。

・北京の人はおおらか。
悪く言えばいい加減なのですが、おおらかな性格の人が多いので、細かいストレスは感じなくて済みます。

いかがでしょうか。他にも比較できるポイントは無数にありますが、挙げだしたら切りがないので、今回はこのあたりにしておきます。
少しでも上海と北京に興味を持ってもらえれば幸いです。

それでは今月はこのあたりで失礼します。